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第17回 事業所交流会のご案内 |
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当日の様子 |
事業所交流会
第17回事業所交流会のご案内
2019年6月26日 日時:2019年7月21日(日)午後1時30分~4時30分 場所:神戸市勤労会館 405号室 内容:「ストレングス視点に立った、グループワークによる事例検討」
ファシリテーター:川田晋さん
第17回事業所交流会参加申込書 (別ウインドウで開きます)
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当日の様子
第17回事業所交流会報告 野崎泰伸 7月21日(日)、三宮の神戸市勤労会館にて、今年度2回目となる第17回事業所交流会が行われました。今回はNPO法人ぱれっとの川田晋さんをファシリテーターに迎え、「<ストレングス視点を活かした>事例検討」を行いました。 「ストレングス視点」とは何か。私も不勉強だったので、少しインターネットで見てみましたが、ここ20年ぐらい、社会福祉領域において流行っている評価法の1つのようです。それぐらいの知識で、事業所交流会に臨みました。川田さんのレジュメには、以下のようにあります。 「今回の事例検討は、参加型によるストレングス視点を活かした事例検討を行います。 日常、支援の中でどうすれば良いのか悩むことは多いのではありませんか?一生懸命すればするほど空回りしたりすることは支援者あるあるではないでしょうか?今回の事例検討は、出来ないことに着目し視点を当てるのではなく、その方の持つ、ストレングス(強み、好きな事、特技、恵まれた環境など)に視点を向け、それらを活かすことにより支援を進める事を目的として行います。 多くの人の意見から多くのアイデアが出されることに大いに期待できます。そもそもそれは問題なの?と感じることもあるかもしれません。事例提供者が、参加して良かったと思える事例検討会を皆でアイデアを出し合いつくっていきましょう」。 つまりは、対象者の問題点や苦手なことにスポットを当て、その点を改善していこうとするアプローチではなく、もっとその人のプラスな点を見つけて、それを伸ばしていこうとすることで個別の支援をよりよいものにしていこうとするアプローチであると理解しました。ルールとしては、「事例検討者、意見を出した人への批判や中傷を絶対にしない」「全員参加」「事例を外部に漏らさない」というもとで行いました。 訪問系と通所系の2グループに分かれ、川田さんの説明の後、グループで自己紹介、事例が配布され、各自読み込みました。次いで、事例発表者が事例報告をした後、質疑応答が行われ、対象者の情報が引き出されました。進行者が、情報を整理し、聞きだした中から、対象者のストレングスを拾い上げ、休憩をはさんだ後、課題解決に向けて、ストレングスと課題とをつなげていきました。その後、司会者によるまとめ、事例提供者の感想、そしてグループ同士で報告がありました。 報告者の感想としては、対象者のよい点に着目し、そこを手掛かりに支援の内容を考えていくというのは、面白い方法ではないかと思いました。ただ、いくつかの点で疑問もありました。まず、よいところを挙げたところで、それがしんどさを解消することにつながるのか、もっと言えば、プラスとされる点を指摘されたとしても、それによってマイナスであると考えられる点は否定されないというところがあると思います。次に、マイナスからプラスへ、とは言っても、対象者「個人」の持つ力の評価にすぎません。「個人の強み」というのもまた、対象者の特性の域を抜けないのであり、個人の魅力によって支援を語ろうとするのとどこが違うのか、という点です。支援は、個人的な強みがあろうがなかろうが提供されるべきものであり、「こんな人、魅力も何もないから支援したくはない」という人こそ支援が提供されるべきなのではないでしょうか。個人的な強みがある方は、すでに自発的な支援がなされているはずなのですから。 川田さんが「個別支援計画を書く際に、こうした視点が有用なのでは」とおっしゃったことが、とても示唆的だと思いました。すなわち、「個別支援」というものが、いかに個人を中心としたアプローチなのかが照射されたものになったと、私は感じました。しかし、支援をするのは対象者個人です。医学モデル的なアプローチではなく社会的アプローチとしての「個別」支援とは何か、考えさせられましたし、考えるに値する問いなのではないかと思います。
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