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奥能登地震2023・5被災者支援活動レポートー4
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奥能登地震2023・5被災者支援活動レポート

 

奥能登地震2023・5被災者支援活動レポート-4

 今回の奥能登地震支援活動を始めたのは、28年前の阪神・淡路大震災では家屋の損傷が26万棟もあり、死者6434名のうち、その建物の下敷きになって亡くなった方が約8割もいたことから、地震対策は「耐震」ということを何よりも優先しなければならないと痛感したことであることはすでに述べてきました。

一口に「耐震」と言っても、いろいろな技があり、「正解はこれだ!」というものを探すのは難しい。今回、珠洲で行っている活動は、地震で被害を受けた建物を単純に解体して、新築にするのではなく、長谷川順一さん(たてもの修復支援ネットワーク代表)が新潟中越沖地震(2007年)から災害の度に行っている「たてもの修復再建」を思い出し、「地震対策として耐震を広めるには、この方法がベストだ!」と理解したからです。

もう一つは、以前当NGO主催の寺子屋勉強会で、「伝統木造構法による建物はそもそも地震に強い(壊れないということではない。)」ということを学んだことに始まります。その時の講師は、私が尊敬する金沢工業大学名誉教授の鈴木 有先生なのです。

 鈴木先生が、阪神・淡路大震災の調査に入った時、被害を受けたが完全に壊れずに、踏ん張っている建物に入ることがあった。その時先生は、「襟を正して、入らせて頂きます。」と表現されたことに感動したからです。この姿勢は長谷川さんが今回の奥能登地震の被害家屋を調査しているときに、「全壊にならずによく頑張ったのですよ!」という表現に共通するものだと思っています。

鈴木先生は、「(日本の民家の構造は)地域社会のシステムに戻ることを意味する。これは「エコロジー建築」を目指すことになる。エコロジー建築というのは、地球の環境、その建物が建つ地域の環境、そしてそこに住む人、この3つの対象にできるだけ負荷をかけない建築とされています」(注1)と。

 今回の支援活動のポイントは、ただ建物を修復するための相談・説明にとどまらず、そこに住んでいた歴史、暮らし、そして現在の住まい方(コミュニティ再生を含む)を尊重しながら、かつ先代から今に引き継いでいる生活文化を壊さずに、修復するというものなのです。

 鈴木先生は、「そこには、自然と共生する知恵がありました。家族が寄り添う暮らし、地域の人々が助け合う暮らしがありました。」とも日英住文化シンポジウムで語られました。

今回の相談活動で調査に入った歴史的建造物のO邸では、先代から引き継いだもので、以前珠洲市の一大産業だった能登瓦製造・販売を営んでいました。私たちを案内してくれた息子さんは、今、この邸宅を先代から守り続けてきた父の介護(現在は金沢の病院に入院)をされています。相談会に来るまでは「公費解体」を決めていたのですが、長谷川さんのさまざまなアドバイスによって、公費解体を視野に入れつつも、修復再建も考えようかと迷っておられるようで、その表情は、全壊にならずによく踏ん張ったこの父が遺した建物に、襟を正して向き合おうとしているかのようでもあった。 

*(注1)2002年3月 NPO日本民家再生リサイクル協会作成 日英住文化シンポジウムでの講演よりー長谷川順一さん提供)         
                                (顧問 村井雅清)
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*お手数ですが、備考欄に「2023年能登地震」と記入して下さい。


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奥能登地震2023・5被災者支援活動レポート-5

 奥能登地震が発生してから、やがて4か月を迎えます。
被災地は、地震後空き家が増えたこともあって閑散としている静けさを感じます。
“祭りの国能登”と言われるほど、本来ならば祭りで盛り上がる季節です。 地区によっては、一年に一度の神輿やキリコを繰り出した盛大な祭りも終わり、 一息ついているのかも知れません。

なかには、残念ながら今年は地震災害という災難に見舞われたので、 祭りは中止となったところもあるようです。
 さて、同地震によって損傷を受けた家屋の公費解体も進んで来ました (公費解体の期限は2024・1・31)。
多くは順番待ちのため、結果的に解体後の住まいをどうするかということを資金の工面をはじめ、あれこれとしっかり考える時間が生まれたことは、いろいろな悩みを抱える被災者にとって、ゆっくりと将来の方向を選択する時間空間でもあるようにも思われます。
 他方、独居、高齢ご夫婦世帯、障害者世帯のなかには、自分たちでなかなか決断できないという方々も少なくないようです。
また、そもそも一時的に空き家になっている被害家屋の修理をされているお家もあり、地元の大工さんはそのような物件に、大工さんも不足して頭を抱えておられる工務店などもあります。
地震から4か月というこの時期は、こうしていろいろな“顔”を見せてくれます。  
こうして、一見落ち着いているようにも見えるのですが、こうした時期だけに、だからこそ「ヌケ、モレ」の被災家庭のことも浮き彫りになってくることを、あらためて考えさせられます。
 ボランティアセンターも平時のサイクルに戻っているようですが、それでも問い合わせの来る案件には丁寧に対応されていることも聞こえて来ました。

4か月を前にした今も、支援を続けている医療関係者、弁護士や行政書士などの士業の専門家、NPO/NGOなどが珠洲市健康増進センターの災害時要配慮者支援業務を支えている部分も見えて来ます。    当NGOの今回の珠洲市における活動は、たてもの修復ネットワーク代表の長谷川順一さんに同行させて貰いながら、被災家屋を解体するという選択肢だけではなく、修復して貴重な文化財はもちろんですが、先代、先々代から受け継いできた各々の家の暮らしを守って行くというお手伝いです。これまでのレポートでも紹介してきた能登瓦の製造や銭湯、酒屋、北前船の就航地などなどという歴史や暮らしも、もちろん大切です。ただ、もう一つ大切なのは毎回被災家屋のチェックや修復のための計測などに入らせて頂いて思うことは、能登らしい家そのものを遺すという方向です。
このことが耐震の大切さを知らせる最大の業となるでしょう。                 
                                (顧問 村井雅清)

*なお「奥能登地震2023」の活動は、公益社団法人Civic Forceとのパートナー協働事業として実施します。

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奥能登地震2023・5被災者支援活動レポート-6

 本レポートNO5で、能登らしい家そのものを遺すということが、耐震の大切さを知らせる方法だというようなことを書かせて頂きました。

 たてもの修復ネットワーク代表の長谷川順一さんが主宰する「たてもの修復相談会」に参加されたことがきっかけで、人としての生き方を教えてくれたという感想を述べられた被災者がおられます。

 今回の地震で自宅が大規模半壊という認定を受けたKさんですが、以下にその言葉を紹介します。

「ものごとの真理というか定理のようなものを捉えるという意味で物理学を志向した。そのためにはまずその基礎となる数学から学びたいと思った。その延長で飯の種を中学校の数学教師として得ながらきたのが自分の今の姿である。 ただそうやって学んできたこと、教師として教えてきたことが、日々の生活において直接役立ったということはそう幾つもあるものではなかった。しかし、今回長谷川さんからいろいろ教えて頂いた建築構法のこと、”伝統木造構法”の地震力に耐える仕組みなどは、まさに先人からの知恵が受け継がれてきて出来たものあるということがわかった。そういう道理が積み重なっていまの家が造られているということを教わってみて、『人間として生きていく上で、何が大切なことなのか !』ということは学んでこなかったということを知った」と(長谷川さんからの寄稿)。

Kさんのこのメッセージは、以前に紹介しました鈴木 有先生の「(木造伝統構法には)自然と共生する知恵がありました。家族が寄り添う暮らし、地域の人々が助け合う暮らしがありました。」という言葉を思い出させますが、これはまさに人としての生きる術を捉えた言葉だと、身震いするほど感動しました。  

                                (顧問 村井雅清)

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奥能登地震2023・5被災者支援活動レポート-7

 今回の奥能登地震で最も被害の大きかった正院地区の区長を務めておられる濱木満喜さん(76)のことを紹介します。5月5日の奥能登地震発生後、町内をくまなくまわり、住民の小さな声にも耳を傾けられ、行政との仲立ちをしながら必要な手立てを施す、獅子奮迅のお働きをしておられる方です。。

正院町公民館で開催された5月27日の被災家屋の修復説明会開催も濱木区長のご決断あってのもので、住民さんの被災家屋への見方も「危険と判定された家屋を急いで壊すのではなく、きちんと状況を見定めて、応急処置を取りながら修復の可能性を考える」という方向へと変わったのもこの時期です。

ご自身の家屋のことも差しおいて(罹災判定は外観目視による準半壊のまま、再調査の申請もせず)震災4ヶ月を経た今も、町内住民の世話に回っておられ、最近になって柱の下がったご自宅を、ジャッキを借りてきて自ら副え柱による補強工事を始められました。

みんな困っている中、しかも職人さんの手も限られている中で、自宅の工事に職人さんを呼ぶのもはばかられてのセルフ工事。ご高齢の区長自ら自助を実践しておられるご様子に、いつもながら頭が下がる思いです。(以上長谷川順一さんからの寄稿より)

濱木さんのような災害で家屋が損傷を受けた場合、最低限の空間を「セルフ・ビルト」で修復し、取り敢えずの生活ができるようにする取り組みを、「段階的復興」と言います。これは、2005年のジャワ地震でも国立ガジャマダ大学のイカプトラ教授の発案で、UNDPの耐震基準を採用し、実施した事例があります。濱木さんの手法が違うのは、全く個人の判断で、自主的にやり遂げているというところです。従って専門家の助言を基に、「セルフ・ビルト」を実行すれば、より素晴らしいということです。

地震などでの全壊や大規模半壊の場合、建築士のサポートがあった上で、濱木さんのような取り組みを支える仕組みがあれば、なおたてもの修復の選択肢も広がるのではないかと教えられた事例です。 

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